現在では、家庭用ゲーム機市場から完全撤退をしてしまったセガ(SEGA)ですが、一時期は任天堂とシェア争いを繰り広げるほどメジャーなゲームメーカーでした。
セガ敗北の理由
セガが家庭用ゲーム機市場から撤退せざる負えなくなったことは、いくつかの原因が考えられます。
まず、その一つとして、マーケティング力の弱さです。 任天堂はマリオなどのかわいいキャラを使った、小さな子供からその親御さんまでファミリーで楽しめるゲームを多く出しています。
一方、セガの場合は、任天堂とは対照的に中学生から大学生までの男子を対象とした多少マニアックなゲームが多かったのです。 稼ぎの無い学生はお小遣いを貯めて自分で家庭用ゲーム機を買う場合もありますが、クリスマスなどに親に買って貰うという子供も多いと考えられます。
そう考えた場合、親のウケがよいゲーム機は、かわいいキャラクターのイメージがある任天堂の方です。 つまり、セガの出すゲームは親に好印象を与えるようなゲームではなかったと言えます。
そして、二番目の敗因としては、ゲーム機本体の価格設定です。 ゲーム機の性能は任天堂より高いのだけど、性能が高い分、本体の販売価格は任天堂のゲーム機と比較すると高くなっています。
また、その他のセガ敗北の要因は、後発でソニーやマイクロソフトが家庭用ゲーム機市場に参入をしてきたことです。 ソニーはプレイステーションで1995年に、マイクロソフトはXboxで2002年に家庭用ゲーム機市場に参戦をしました。
ソニーが後発ながら成功した理由は、有力ソフトを発売していたサードパーティーを上手く取り込むことができたからだと考えられます。
EGA家庭用ゲーム機
ここでは、セガが1983年から2001年までに販売をしてきた家庭用ゲーム機を取り上げたいと思います。
・SC-3000/SG-1000
SC-3000はキーボードと本体が一体となっていました。
家庭用ゲーム機と言うより、パソコンと言った方が近いのかもしれません。
別売りのカートリッジには「BASIC言語」があり、そのカートリッジを使う事でプログラムを組むことができました。
また、SC-3000と同時発売されたSG-1000はSC-3000からキーボードを取り去った廉価版です。
SG-1000はゲームカートリッジを差し込むことで、好みのゲームを楽しむことができました。
・セガ・マークIII
SC-3000の色数を強化した機種です。
SC-3000とSG-1000用に作られたゲームカートリッジを遊ぶことが可能な上位互換機種でした。
アーケードゲームとして人気の高かった「アウトラン」、「スペースハリアー」、「アフターバーナー」などの中学生~大学生の男子にウケの良いゲームが移植をされました。
・メガドライブ
メインのCPUとして68000、そしてサウンド制御用としてZ80AというCPUが搭載をされています。
この両CPUはパソコンなどにも搭載されていた、メジャーなCPUです。
そのため、サードパーティーのゲーム開発メーカーは、メガドライブ用のゲームを開発しやすかったのではと推測できます。
メガアダプターという別売りパーツをゲーム機本体に取り付けることにより、セガ・マークIIIのゲームを遊ぶことができました(上位互換の確保)。
また、当時の㈱日本ビクターからはCDドライブやS端子が搭載された「ワンダーメガ」という亜流機種が発売をされています。
・セガサターン
従来の2Dゲームだけでなく、ゲーム市場で主力となりつつあった3Dゲームをも意識したハードウェア構成となっています。
そのため、多くの専用LSIがセガサターンには搭載をされています。
また、メガドライブまでは従来機種との上位互換を確保していましたが、セガサターンでは上位互換はありません。
その理由は、ゲーム機の回路設計を新規に設計したためだと推測できます。
・ドリームキャスト
当時は自虐的な「セガはだっせーよなっー!帰ってプレステやろーぜ!」のドリームキャストテレビCMは話題となりました。
ドリームキャストは家庭用ゲームとしては珍しい通信モデムを本体に内蔵をしています。 そのため、WEBサーフィンやドリームキャスト専用のネットゲームをプレイすることができました。
ソニーのプレステ2と任天堂のNINTENDO64とのシェア争いに敗れて、セガはこのドリームキャストを最後に家庭用ゲーム機のハードウェア販売市場からは撤退をしています。